それは20代前半のある夜のこと
いつものようにベットに入り明かりを消して寝ようとしていた時、金縛りが起こる前のあのゾワーっとした感覚を感じました
金縛りは何度も経験していたので、その日も怖いながらも少し冷静に対処していたのだけれど、その日はいつもとは全然違っていて
寝室のドアが開き、黒い人影が入ってきたのが見えたのです
見えたと言っても金縛り中で、目は閉じていたので目で見ている訳ではなかったけれど、人影のサイズ感や感覚にリアリティーがあったので、生身の人間なのか?と思ったりもしました
イメージ的にはコナンに出てくる真っ黒な犯人のアレ
人の形は分かるんだけど、顔や身体など全てが真っ黒で、凹凸が一切感じられない不思議な影でした
しかしそこは一人暮らし中の古い一軒家
同居人などいない環境
霊的な何かも怖いけど、泥棒的な人間だったらそれはそれでヤバ過ぎる!!
私は色んな怖さでパニックになり、金縛りで動けないながらも力一杯もがきました
すると何故か両足だけがピーンと立ち上がって
そして突然その人影のいる方向から強めの風が自分に向かって凄い勢いで吹いてきたんです
次の瞬間、私は真っ暗な狭いトンネルのような所にいて、流されて落ちていました
感覚的には、結構な角度の真っ暗なウォータースライダーに仰向けで寝た状態で、頭から滑り落ちている感じ、、
もの凄いスピード感と、真っ暗過ぎて何が起こってるのか理解出来ない感と、一切抵抗出来ないされるがまま感、、
そりゃぁもう、もの凄い恐怖!
ただただ『ギャーー!!』と心の中で叫びながら流されてました
するとやがて明るい場所にポーンと飛び出しました
そして結構な高さのあるその場所から、その下にある大きくて深めの沼?のような所にドボン!とダイブしたんです
水の中に落ちる感覚や衝撃、周りに沢山の泡ができる感じなどが超絶リアルだったので、泳げない私はかなり焦りましたが、水の中は全然苦しくなくとても不思議でした
まず呼吸ができる?というか何の問題も無く、水温は絶妙に快適だし、水中なはずなのに濡れてる感じや重たい感覚が無くて、とにかく全然苦しくないんです
今にして思うと、それは霊体だったからなのかな?という気がします
そしてその沼はどうやら蓮の沼だったようで、水面に浮かんでから周りを見渡すと、蓮の花が沢山咲いていてとても綺麗でした
その後場面が変わり、私は小高い丘のような場所にいました
どこまでも広がる緑の丘と雲一つない青空、そんなロケーションに沢山の眩い光が溢れていました
パステル系のピンク、オレンジ、黄色、薄紫、などなど、とにかく沢山の光で溢れていました
その光は言葉で言い表せない程、今まで見たことがない程美しく、強く激しい光なんだけど、同時に優しくて温かい、、そんな光でした
そこに人の姿は一切見えず、しかし沢山の気配だけがありました
私は、その光たちは無数の魂たちなのではないかな?と理解しました
遠くには高い山も見えて、そこはより一層光り輝いていました
私は、高い山のその光は、更に高次の神的な存在のものなのだと理解しました
その場所は、まるで故郷のような懐かしさと安心感に満ちており、私は今まで味わったことの無い幸福感と安堵感を、ただただ味わっていました
………
ふと気がつくと私は真っ暗な部屋のベットで寝ていました
あんなに足がピーンとなったはずなのにお布団は一切乱れておらず、何事も無かったかのようでした
体験した者にしか分からない、夢とはとても思えないこの感覚、、
これは私に実際に起こった出来事なんだとすぐに確信しました
そしてあの場所が魂の故郷であり、本当の場所、いずれ帰る場所なんだということを理解しました
これが私の、あちらの世界に行ってきた体験です