そのうち娘は、少しずつ学校に登校することができるようになっていった
一日数時間程度、保健室や別室への登校ができるようになっていった
この頃には、娘にとっても私にとっても、もう元の状態に戻ることが目標では無くなっていた
毎日を如何に充実した気分で過ごすか、そこを一番に意識する
そして『生きることの幸せ』について、その根本に目を向けて過ごすことを心掛けるようになっていた
娘は次第に元気を取り戻し、その顔には笑顔が戻っていった
元々お菓子作りや料理が好きだった娘
自主的に毎日の夕飯を作ってくれるようになった
初めから上手だった訳ではないけれど、回数を重ねる毎にコツを掴み、手際良く作れるようになっていった
学校には相変わらず時々通う程度
だけど自宅で取り組んだ美術の作品で賞を受賞するなど、頑張ったことへの評価も貰ったりして、学校との繋がりも楽しんでいるようだった
娘は娘なりのペースで成長をしている
他の一般的な生徒達とは違うスタイルで
それはいたってシンプルなこと
ただそれだけのこと
『不登校』については、娘も私もそんな認識で捉えるようになっていった
そして、謎の後ろめたさや罪悪感は、ほとんど消え去っていった