誰とも会わず
誰とも話さず
誰のことも気にせずに
図らずも
人との関わりから離れさせられ
一人きりの時間を
長いこと続けざるを得ない日々
初めのうちは
社会からわたしという存在が消えてしまう
そんな焦りや恐怖で
心が乱れて落ち着かずにいた
しかし時間が経つにつれ
この静けさに慣れ
この穏やかさが心地よく
多幸感を感じるようになってきた
そこに相手が居なければ
競うことも
比べることも
争うことも
そんな煩わしいことは何も起こらない
わたしはわたしを守る必要もなく
ただ無防備に
ただ今ここに存在し
ただ世界を感じているだけでいい
ふと気がつくと
わたしという自我さえも
握りしめている必要がなくなり
まるで
この場に漂う花の香りや
優しく照らす光や
吹き抜ける風や
そういうものになったかのような
不思議な感覚に包まれながら
わたしという自我が消えてしまいそう