そこには嫉妬と復讐に燃える鬼がいた
それはもはや同じ人間とは思えなかった
人間の形をした鬼のような何かに感じた
そしてそれを観察しているうちに
それがかつての自分でもあることに気がついた
目の前にいるこの人は
かつての自分であると同時に
これから先の自分なのかもしれない
人間はその時のエネルギーによって
鬼にも神にも悪魔にもなれる
そういう存在なのだという事を改めて知った
哀れな鬼の姿になってしまっているこの人も
今この瞬間のエネルギーがそうなだけ
かつての自分がそうだったように
そんなわたしだって
また何かのタイミングで
哀れな鬼になってしまう事だってあるのだ
全ては同じ事
観察する方向が変わっただけで
起きている事象は変わらないのかもしれない
この仕組みが腹に落ちるまで
何度も何度も繰り返し
似たような経験を積む事になるのかもしれない
自分で自分のことを
哀れな鬼だと認めるのは中々に難しいし
はじめは誰もが抵抗を感じると思う
目の前に見える嫉妬と復讐に燃える鬼を
自分とは異質な存在であると感じるのが
一般的な反応だと思う
しかし
そうやって否定的な感情が出ている時こそが
実は
自分の意識を変容させるチャンスなんだ
もはや同じ人間とは思えない鬼のようなあの人を
自分と同じだという許しのような心が芽生えた時
すでに次元は上がっている